「出でて初めて自在を得べし」(OO百韻) | ◇ ◀ ▲ ▶ |
松尾芭蕉の残した言葉を思い出した。
後世に伝わるほど、ひとつの道を極めた人の言葉だから重みがある。
自分を振り返ってみるとどうであろうか。 最近は基礎からみっちり積み上げるということがなくなってしまった。 学生のころは、先生に言われて「100プログラミング」というのをやっていた。 これは何か新しい言語とかシステムとかに直面したときは、 まずは何も考えずに100個のプログラムを書くというものだ。 一個一個のプログラムはべつにたいしたものでなくてもいい。 単純にひとつの機能を実際に書いて試してみるというものでいいのだ。 例えば、これからC言語を覚えようというのであれば、for文を使った プログラムを一つ書いてみて、printfを使ったプログラムを一つ書いてみて、 とやっていく。 Win32なら、APIはうんざりするほどあるから100じゃ たりないぐらいだろう。このようにやっていけば100プログラムなんて あっというまにできて、そしてだいたいは自分の身になっている。 こうやって、大学時代に言語だったらFORTRANから始まり、COBOL、Pascal、 C言語、Prolog、Lispなどやったし、JCLなんかもけっこう書いた。 みな、プログラムと呼ぶにはあまりにも単純なものばかりではあったが。
大学を卒業して仕事するようになってもしばらくはやっていたので、 なにか新しいものに直面するたびにこういうことをやるのは習い性に なっていた。 おかげで、いわゆる「勘が利く」ようになっていて、 けっこう要領よくできるようになってたと思う。
しかし、ここ5年ぐらいはどうか。ほとんどやってないじゃないか!
確かにある程度は過去の蓄積でなんとかなる分野ではあるが、 一方で毎年毎年新しい技術が出現するわけでもあり、 乏しい蓄積などあっというまに食いつぶしてしまうことだろう。 やはり100プログラミングは必要な鍛錬だと思う。
「かつて前線にいたからよく知っているつもりなだけの今は分らない人」に ならないために、生涯プログラマを追及するために、まずは100プログラミングを復活させるところからはじめようと思う。
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