「読書『物理と数学の不思議な関係』」(行動記録/日記) | ◇ ◀ ▲ ▶ |
別に用意してあったわけではないと思うが…。 古典はべつにして、近代現代の数学とは、抽象的なところを追求するというのがその本質になって しまっているので、どうしても応用分野が見つかるまでに時間がかかるのはしょうがない。 それに物理で応用されたからこそ発展した分野は数え上げれば枚挙に暇がない。
物理学の歩みに関して数学がどのようにからんでくるのか、というさまざまなエピソードが面白い。 物理における数学とは、単に物理学の問題を解くためのツールとして使われているわけではなく、 その物理学の発展とともに数学もまた発展してきたのだということがよくわかっていいのではないだろうか。
カオス理論などまだまだ発展途上の分野も紹介されており、 ソフトウェア工学などにどのようにかかわってくるのだろうかと考えると楽しくなる。 ソフトウェア工学ではまだまだ数学というのは問題を解くための補助概念というところに とどまっており、どちらかというと「数学=数式」という構図から毛嫌いされているのが現状だ。 そう思うと、3年もすれば古いものになってしまう個々の技術を紹介する本だけでなく、 こういった本こそソフト屋さんたちに読んでもらいたい。
ソフトウェア工学が今後どのような方向にむかっていくのかはわからないし、 しかも生まれてまだ間もない分野であるので、数学がどのようにかかわってくるのかとか どのぐらいの比重をしめるようになるのかといったこともまったく想像がつかない。 今後Small Worldやカオスなんかはどんどん導入されていく可能性があると思う。 今後どうなるか楽しみだ。
物理の話にもどると、物理に触るのは大学の授業が最後だ。 それ以後はこういう一般教養の範囲でしか触れていない。 だからだろう、こういう本で順を追って説明されるとすごく勉強になったような気がする。
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